マンション管理組合様向保険

マンションの共用部における様々な損害に備える保険です。

1. マンション管理組合の火災保険について

マンションには、共用部分と専有部分があり、それぞれに火災保険を付保する必要があります。その中のマンション共用部分のための火災保険は管理組合で加入することになります。 マンションで実際起こっている事故には次のようなものがあります。

1)共用部で起こる事故
・火災、落雷、破裂、爆発で共用部の天井が焼け焦げた
・台風により、バルコニーのパーテンションが壊れた
・大雪により自転車置き場の屋根が潰れた
・マンション内の駐車場の操作盤が壊れた
・マンションのエントランスのガラス扉が割れた
2)マンションの共用部の設備・施設等の不備

・欠陥が原因の事故
・共用部の給水管から水漏れが起き、共用部もしくは専有部に損害を与えた
・エレベーターや機械駐車場の故障により、人に損害を与えた
・外壁のタイルが剥がれ、通行人に当たり怪我をさせた

2. マンション管理組合の保険の仕組み

マンション共用部分の火災保険は次の4つに分かれています。

1)火災保険
主契約となるのが建物(マンション共用部分、付属施設、付属設備など)に対しての火災保険です。基本契約と特約に分かれます。補償内容は、
・火災、落雷、破裂、爆発
・風災、ひょう災、雪災
・水災(マンション共用部では付保しない場合も)
・建物外部からの物体の飛来、衝突等
・給排水設備の事故による水漏れ
・集団行動、労働争議に伴う暴力行為や破壊行為
・盗難
・破損、汚損
・諸費用(事故時諸費用、水漏れ原因調査費用、残存物取片付け費用、修理付帯費用)等

2)施設賠償責任保険
政府と民間の保険会社との共同運営
マンション共用部の欠陥等に起因する偶然な事故・マンション共用部の賃貸または管理およびこれに付随する業務の遂行に起因する偶然な事故に該当する事故により、他人の身体に傷害を与えたり、他人の財物を破損したことにより法律上の損害賠償責任を負った場合の損害賠償金等を補償します。

3)個人賠償責任保険
日常生活において発生した偶然な事故または居住用戸室の所有・使用・管理に起因する偶然な事故によって他人の身体に傷害を与えたり、他人の財物(他人からの借用物は除きます)を損壊させたことにより法律上の賠償責任を負った場合の損害賠償金などを補償します。

4)地震保険
地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・破損・流失などの損害を補償します。これらの中で、必要な補償を組み合わせたものが、マンション共用部の火災保険となります。

3. マンション管理組合火災保険の新しい考え方

2013年頃から損害保険各社は、築年数の経ったマンションほど保険料が高くなる「築年数別」の料率体系の導入を始め、2015年10月の改定により大幅な値上げが行われ、築20年を超えるマンションでは保険料が2〜3倍となるケースも出始めました。保険料引き上げの理由は以下のことが考えられます。
・築20年を超えるマンションの増加
・築年別の損害率の悪化(特に20年を超えるマンション)
・給排水管の劣化による漏水事故が増加
・大型台風など自然災害による事故の増加
漏水事故に関しては、メンテナンスが十分なされていれば防げる場合も多いです。しかしながら、給排水管は築20年前後で更新工事を実施するのが望ましいとされているものの、工事費の高騰や居住者の一時転居の問題もあり実行することは難しいのが現状です。他にも、修繕積立金不足や長期修繕計画の未実施等により、適切なメンテナンスが行われていないマンションでは漏水事故が多発しています。

4. 新築マンションの火災保険

新築マンションの場合、引渡し後にすぐ火災保険を掛ける必要がありますが、この時点ではまだ管理組合が立ち上がっておりませんので、管理会社が代わって加入の手続きをします。その後の満期更改の際も、管理会社が提示したもので更改する場合がほとんどで、補償内容の見直しを何年もしていないケースがあります。

→ちょっと待ってください!その保険がマンションにとって一番いい保険でしょうか?
火災保険の補償内容・保険料は保険会社によって異なりますので、満期更改時には他の損害保険会社複数社から見積もりを取り付けて比較検討することをお勧めします。マンション管理組合火災保険は、料率・補償内容等が改定されることがありますので適正な保険料のために定期的に見直すことが大切です。

5. 火災保険を見直すヒント

今加入している火災保険を見直すときに大切なことが3つあります。
1)マンションに必要な火災保険の補償内容を検討する
このマンションに起こりうるリスクを想定しましょう。例えば、水災の補償は付保しない場合が多いです。なぜなら、水災の際の保険適用は「床上浸水もしくは地盤面から45㎝を超える浸水」という条件があります。元々マンションは土台が高いのでこの条件に当てはまるケースが少ないのが現状です。しかしながら、立地によっては必要な場合もあります。リスクについては、ハザードマップで確認する事をお勧めします。

2)マンション共用部分の火災保険に詳しい代理店を選ぶ
火災保険は、損害保険会社と直接契約する事は出来ないので、損害保険会社の代理店と契約することになります。つまり、保険会社を変える時は、損害保険会社と代理店をセットで選定することになります。保険代理店の中には、管理組合の火災保険が詳しい代理店と、そうでない代理店があります。お勧めは、マンション管理組合の火災保険取り扱いの経験と実績が多数ある代理店、事故発生時にはしっかりスムーズに事故対応ができる代理店です。

3)複数の保険会社の見積もりを取る
保険会社によって保険料が異なりますので、同じ補償内容で複数の保険会社の見積もりを取る事をお勧めします。その為には、複数の保険会社の商品を取扱える「乗り合い代理店」に依頼して、複数社の見積もりの比較表を出してもらいましょう。

6. 管理組合火災保険の保険料を抑える5つのポイント

保険料を節約する方法には次の5つがあります。
①保険金額を見直す
②補償内容を簡素化する
③保険期間を長期の5年契約にし保険料を一括払いにする
④複数の保険会社から火災保険商品を検討する
⑤個人賠償責任補償特約・施設賠償責任保険特約の保険金額を下げる

7. マンション管理組合様へのご提案

マンション共用部分の火災保険は定期的な見直しが必要です。昨今組合様からのご相談で一番多いのは、「5年前に加入した保険の保険料が今回の継続のご案内で3倍に値上がりしているので大変困っている」というものです。最近は築年数だけでなく、メンテナンス状況や管理組合の活動状況を診断し、良好な場合には保険料を割引くという商品(マンションドクター火災保険)も発売されております。しかしながら、すべてのマンションにとってこの商品が一番良いというわけではありません。この商品を含め、他損保の火災保険の見積もりを比較して管理組合様にとって一番良い商品を選びましょう。弊社は複数の保険会社の乗り合い代理店をしておりますし、マンション共用部の保険経験30年の担当者もおります。管理組合様にとって一番良い商品をご紹介し、事故対応までしっかりと行います。是非一度、当社にご相談ください!

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